鉃鋼ビル以上の鉃鋼ビルへコミュニティイベント・プロジェクト

テナント企業で働く皆様と「誰もが輝きだす場所」を共に創っていくことを目的としたイベントの開発・企画に取り組むプロジェクトです。

鉃鋼ビルと同じ広島県呉市にルーツを持つ坂田明さんがプロデュース 「SAKATA AKIRA PRODUCES JAZZ AT TEKKO EXECUTIVE LOUNGE」第3回開催


株式会社鉃鋼ビルディングは、鉃鋼ビルの「付加価値向上」の一環として、コミュニティイベント・プロジェクトに取り組んでいます。2026年5月20日、鉃鋼エグゼクティブラウンジにて、第3回となるジャズコンサート「SAKATA AKIRA PRODUCES JAZZ AT TEKKO EXECUTIVE LOUNGE」を開催しました。

今回は、企画・運営に携わったプロジェクトメンバーへの取材をもとに、その背景と当日の様子をレポートします。

会議室の大きな窓を背景に並ぶ、4名の男性社員。  


広島・呉で始まった縁が東京で音になる

会場となった鉄鋼ラウンジの入口

株式会社鉃鋼ビルディングの創業の地は、広島県呉市です。今回もプロデュースを務めていただいたジャズ界の重鎮・坂田明さんは、同じ呉市のご出身です。こうした共通のルーツが、本シリーズを通じた取り組みの出発点となっています。

坂田さんには、働く場所であるオフィスと文化をつなぐイベントの趣旨にご理解をいただき、鉃鋼エグゼクティブラウンジを舞台に、今回も特別な夜を演出していただきました。


ビル竣工10周年記念のイベントとして開催

鉃鋼ビル竣工10周年記念ロゴマーク
ご入居企業の皆様に「働く場所に新しい価値」を届けることを目指し、ビル竣工10周年を記念する取り組みの一環として開催しました。今回のジャズコンサートも第3回目を迎え、ご入居企業の皆様から好評をいただいております。

今回は、坂田明さんのプロデュースのもと、ピアノ、フルート、ベースによる編成が選ばれ、音の細かな重なりと演奏の繊細さがより自然に感じられるかたちで編成されました。


当日の様子

開場時間が近づくにつれ、エグゼクティブラウンジには少しずつ、ご来場者が集まり、賑わいが生まれていきました。仕事終わりの時間帯ということもあり、軽食やドリンクを手に、同僚や知人と談笑しながら思い思いの時間を過ごされています。

演奏者のメンバー

今回の出演は、ピアニスト・栗田妙子さん、フルート奏者・太田朱美さん、ベーシスト・岩見継吾さんの3名。坂田明さんのプロデュースのもと、この空間にふさわしい編成として選ばれたトリオです。

準備が整い、演奏者が静かにステージへと現れると、ラウンジの一角に自然と注目が集まり、先ほどまでの談笑の空気が落ち着いていきます。

演奏された曲目は以下の通りです。

1.Hand of Time(栗田妙子)
2.18:45(太田朱美)
3.空堀川(栗田妙子)
4.昔話(栗田妙子)
5.King of Belgium(John Scofield)
6.樹の詩(太田朱美)
7.昆虫博士(栗田妙子)
Encore:メヌエット(作曲者不詳)


音のやり取りが際立つアンサンブル

演奏者と会場の様子

オープニングの「Hand of Time」では、ピアノ、フルート、ベースが丁寧に重なり、会場は自然と演奏へ引き込まれていきます。私たちプロジェクトメンバーも、「これからどのような時間になるのか」という期待を感じながら耳を傾けていました。

演奏が進むにつれて、穏やかな流れと緊張感のある展開が緩やかに行き来し、その振れ幅がこの日の特徴的な魅力となっていました。音数を抑えた静かな瞬間には、一つひとつの音に耳を澄ませる空気が生まれ、一方でリズムに動きが加わる場面では、会場全体の意識が演奏へと引き寄せられていきます。

演奏する3人

こうした構成は、坂田明さんのプロデュースによる本シリーズならではの特徴でもあります。親しみやすさに寄せるのではなく、演奏そのものの面白さや音の関係性を大切にすることで、聴く側も自然と音楽に向き合っていく。そうした体験の積み重ねが、本シリーズの個性として形になっています。

アンコールに応えて「メヌエット」も印象的な一曲でした。一般にはヨハン・セバスティアン・バッハ作と誤認されることもありますが、実際には作者不詳とされ、同じ時代のフルート奏者ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツによる作品とも言われています。短いながらもバロック調の旋律と明確なリズムが際立ち、普段このような場ではあまり触れる機会のない楽曲として、コンサート全体の印象を引き締める役割を果たし、この夜の印象をより深いものにしていたように感じられました。


当日の舞台裏

演奏者たちと会場の様子

こうした時間を支えていたのは、演奏者だけではありません。会場の設営や運営にあたったプロジェクトメンバーも、それぞれの役割を担いながら本番に臨みました。

今回の公演では、来場者の皆様により自然なかたちで音楽と時間を楽しんでいただけるよう、いくつかの工夫を行いました。そのひとつが、配膳スタッフの配置です。

演奏中であってもドリンクや軽食をスムーズにお届けできるように体制を整えたことで、来場者の皆様が席を立つことなく、それぞれのペースで音楽に向き合える環境づくりを目指しました。ラウンジという空間の特性を生かしながら、音楽と飲食の場が共存する空間のあり方を探る試みでもありました。

当日使用したLED照明機器

さらに今回は、新たにLEDスポットライトを導入し、照明演出にも工夫を加えました。従来のラウンジ照明に比べて演奏エリアに適度な明暗のコントラストが生まれ、空間全体がより落ち着いた印象となりました。ライブハウスに近い雰囲気が加わったことで、演奏に自然と意識が向きやすい環境となり、音楽と空間の一体感がより感じられる演出となりました。

また開演前には、プロデューサーである坂田明さんに加え、前回ご出演いただいた小森慶子さんも来場されました。控室ではプレイヤー同士のハイレベルな会話が交わされたことと思います。公演を重ねる中で生まれてきた演奏者同士のつながりが感じられる場面となりました。本シリーズが継続的な取り組みとして広がりを持ち始めていることを実感しました。

そのほかにも、音響や配線の調整、ケータリングの配置など、細かな部分において調整を重ねながら当日を迎えています。本番中も会場の後方ではスタッフが状況を見ながら動き続け、来場者の動線や空間のバランスを保つための対応が行われていました。

こうした舞台裏での積み重ねが、演奏と空間が自然に調和する時間を支えていたのだと、あらためて感じる機会となりました。


ジャズをもっと自然に楽しめる場として

曲の間にトークをする栗田さん

今回の公演では、耳に馴染みやすいメロディーに加え、音の重なりや展開の変化を楽しめる楽曲が多く演奏されました。そのため、聴き方そのものにも自然と幅が生まれていたように感じられます。

会場では、ドリンクを手に時を過ごしながらも、気づけば演奏にじっくりと耳を傾けている様子が随所で見られました。それぞれのペースで音楽に引き込まれていく。そうしたあり方が、今回のコンサートの大きな魅力となっていたように思います。

第1回・第2回では、ラウンジならではのリラックスした楽しみ方が印象的でしたが、今回はそれに加えて、音楽の細かな変化に気づきながら聴くような場面も多く見られました。

難しさとしてではなく、「もう少し聴いてみたい」と思わせる感覚が残ること。それが、今回の音楽体験の特徴だったように思います。

演奏に聞き入る会場全体の様子

こうした時間を通じて、働く場所の中に、日常とは少し違う集中や余韻が生まれていく。今回のコンサートは、そうした新しい体験のあり方をあらためて示す機会となりました。普段とは異なる環境のなかで、質の高い音楽体験を届けていただいた出演者の皆様に、心より感謝申し上げます。

鉃鋼ビルディングでは、これからも働く場所に新しい価値を提供し続けてまいります。音楽を通じて人と人がつながる場を育てながら、今後もこうした取り組みを重ねてまいります。


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