株式会社鉃鋼ビルディングは、「付加価値向上」の一環として、コミュニティイベント・プロジェクトを設置し、取り組みを続けています。2024年9月を「SDGs Month」と位置づけ、入居するテナント企業で働く皆様およびご家族を対象とした各種イベントを開催いたしました。
初年度となる今年度は、「SDGs及び社会問題に関する知見を広げること」をテーマとして、ビル内の異なる企業で働く皆様へ、DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)などの様々な社会課題について考えていただく機会を設けさせていただきました。
各イベントの詳細と当日の様子について、イベントを企画・開催したプロジェクトメンバーに取材しました(全3回のうちの1回目。2回目、3回目を読む。)。
2024年9月11日開催
ヘラルボニーによる「DIVERSESSION PROGRAM(ダイバーセッション・プログラム)」
この「DIVERSESSION PROGRAM」は、ヘラルボニーによるDEI【Diversity(ダイバーシティ)、Equity(エクイティ)、Inclusion(インクルージョン)】を推進するために多くの企業・団体で導入されている研修プログラムです。
このプログラムでは、全ての人にある「違い」に焦点をあて、一人ひとりの違いを発見し、掛け合わせ、大きな力に変えるための視点を持つ、DEIの視点を持つことを目的としています。
鉃鋼ビルディングでは、同じオフィスビル内で働く複数のテナント企業の従業員の皆様に向けて、この「DIVERSESSION PROGRAM」を開催しました。
当日のプログラムの様子
当日は17人の方にご参加いただきました。まず、午前の時間を使って講演会が行われました。DEIを自分事とすることを目的としたオリエンテーションで、「異彩を、放て。」をミッションに「障害」のイメージを変え、誰もがありのままに生きる社会の実現に向けて、多様な事業を展開するヘラルボニーの活動を通して、「無数の違いを認め合う状態 = 多様性が輝く社会」について考えさせられる内容となっていました。ここでは、プログラム全体の目的とゴールを明確にしました。
午後の時間は、1チーム5~6人でボードゲーム型ワークショップに取り組みました。ワークショップではチームのメンバー一人ひとりにそれぞれ役割が与えられ、目の見えにくい役、発言に制限のある役などの身体的特徴や能力においてマイノリティ(少数者)であることを擬似的に体験しながらゲームに挑戦します。
ゲームの詳細については「ネタバレ」となるため、ここでは記載することはできませんが、チームにはミッションが与えられ、メンバーで協力し合い、ゲームクリアを目指していきます。
チームのメンバー全員で楽しみながらゲームに参加した一方で、「難しい」「脳内から汗が出るくらいに考えないとダメだ」などの声が上がるほど、ゲームをクリアするにはいくつかのハードルが設定されていました。
チームでゲームに参加することを通じて、DEIの考え方として必要となる、互いの「違い」を言語化することや、多様なチームで働く際の「障壁」を考えること、多様性を尊重することをし、一丸となることで生み出されていく連帯感やそれが大きな力(パワー)となることを感じる内容となりました。
イベントが新たな交流を生む場に
ワークショップ中には、同じオフィスビルで働きながらも普段は会話をすることのない他社の方と名刺交換をする場面や、お昼の休憩中にチームで一緒になった方と談笑しながら食事に出かける様子が見られました。
こうした光景がビル内でたくさん増えると、企画をさせていただいた側の人間として、非常に嬉しい限りです。
当初は研修時間が午前・午後と一日拘束されることもあって、参加者が集まらないのではないかとの不安もありましたが、取り組みにご理解いただけた企業が多く、大変ありがたく思いました。今回、残念ながら参加がかなわなかった企業の皆様、より多くの皆様にご参加いただけるよう、開催時間の変更などを含めて今後検討を進めていきたいと思います。
当社と「異彩を、放て。」をミッションに「障害」のイメージを変え、誰もがありのままに生きる社会の実現に向けて、多様な事業を展開する株式会社ヘラルボニーのこれまでのコラボレーションについては、以下の記事をご覧ください。
日常空間にアートを。“異彩作家”の作品を常設展示
https://tbg-project.com/evolve/heralbony/519/
「異彩を、放て。」 ヘラルボニーと鉃鋼ビルディングの出会いが起こす変化とは(前編)
https://tbg-project.com/evolve/heralbony/1428/
「異彩を、放て。」 ヘラルボニーと鉃鋼ビルディングの出会いが起こす変化とは(後編)
https://tbg-project.com/evolve/heralbony/1444/
2024年9月12日(木)、年9月13日(金)開催
映画上映会「チョコレートな人々」
SDGs Month第2弾のイベントとして、9月12日、13日の両日、テナント企業にお勤めの皆様を対象とした、映画上映会を開催しました。
映画上映会は多くの方にご覧いただくため、公開日を2日間、仕事が終わって一息ついてから、立ち寄ることが可能な18:30開始とさせていただきました。上映会は2日間でのべ30人の参加がありました。
この映画の舞台となるショップ「QUON チョコレート」で作られた人気商品QUONテリーヌを映画上映会を含む今回のSDGs Monthイベント参加者全員にお配りしました。
多様な人々が働いているQUONチョコレート(運営:一般社団法人ラバルカグループ)は、従業員約570 ⼈のうち約6割は⼼や体に障がいがあり、障がいを持つ子の母親や、ほかにも⼦育てや介護中、シングルペアレント、セクシュアルマイノリティ、引きこもりの悩みを抱えた若者など、多様な⼈たちが共に働いています。
代表の夏目浩次さんは「誰も置き去りにしない、凸凹カラフルな社会を創ること」を掲げ、全国の障がい者および障がい者事業所にチョコレートの魅力とパワーを伝え、障がい者ショコラティエの育成、研修や店舗開設・運営ノウハウの移転をフランチャイズ方式で展開するなど、彼らの社会参加と自立、そして、障がい者雇⽤と適正な賃⾦の⽀払い実現を目指して活動をされています。
第2回ジャパンSDGs アワード内閣官房長官賞を受賞したQUONチョコレートでの活動を、映画を通して紹介し、当社と一緒に社会課題を考えていただく機会を提供させていただきました。
上映終了後には、拍手が起こり、中には涙をハンカチで拭う方の姿が見られました。
観覧いただく皆様に映画に集中していただけるよう、映画館のような雰囲気を演出するために、部屋の明るさの調整に時間を掛けました。今回はカンファレンスルームで初めての映画上映会でしたが、映画をご覧いただいた皆様からのアンケート結果から満足いただけた様子がうかがえ、手ごたえを感じました。今後もこのような映画上映会を企画していきたいと考えています。
上映した作品の詳しい情報は以下のとおりです。
「チョコレートな人々」(2022年/日本/カラー/102分)
https://tokaidoc.com/choco/
ナレーション:宮本信子|プロデューサー:阿武野勝彦|音楽:本多俊之|音楽プロデューサー:岡田こずえ|撮影:中根芳樹 板谷達男|音声:横山勝|音響効果:久保田吉根 宿野祐|編集:奥田繁|監督:鈴木祐司
制作・配給:東海テレビ|配給協力:東風|©東海テレビ放送
次回は、CHIKAKENプロダクツ「竹あかり」ワークショップと写真展「老犬たちの涙~“いのち”と“こころ”守る14の方法~」の様子についてお伝えいたします。