鉃鋼ビル以上の鉃鋼ビルへ
ヘラルボニー・アートプロジェクト

「異彩を、放て。」をコンセプトに「福祉を起点とした新たな文化の創造」を目指す福祉実験ユニット「ヘラルボニー」とコラボレーションするプロジェクトです。

日常空間にアートを。“異彩作家”の作品を常設展示

2023年7月、鉃鋼ビルディングの地下1階「TEKKO avenue」にて、知的障害のある“異彩作家”の方々のアートの常設展示を開始しました。オフィスを主要用途とした複合ビルで、なぜアートの展示を始めたのか、担当者にインタビューしました。

増岡洋志(写真左)
株式会社鉃鋼ビルディング 取締役

江川太郎(写真右)
株式会社鉃鋼ビルディング 営業部 部長


テーマは「賑わいを作る」。そして誰もが輝きだす場所へ。

複合ビルである当ビルには、オフィスで働く人たちの他に飲食店やサービスアパートメントなどの利用者もおり、多くの人たちが行き交います。2015年に大規模複合ビルとして生まれ変わった鉃鋼ビルディングがテーマとして掲げた「人・街・時をつなぐ」を実現するためには「賑わい」の創出が必要と考えています。

そこで、私たちは「賑わいを作る」をテーマに、これまでさまざまな企画を実施してきました。

例えば、2カ月ごとに1階のオフィスエントランスで無料ミニコンサートを開催しています。コンサートホールまで行くのはハードルが高いと思われる方でも、お昼休みの時間に気軽に音楽に触れられると好評で、毎回たくさんの方にお聴きいただいております。また、演奏してくださる若手の音楽家の方々には、表現活動の場を提供するという意味でも喜んでいただいております。

当社は「多様化する社会において、人が活躍する場所の環境価値を創造し、社会に貢献する。」を経営理念に掲げ、「誰もが輝きだす場所へ。」をコーポレートスローガンとして定めています。オフィスの空間などを提供するだけでなく、才能がある方々に「輝く場所」を提供することは当社の理念に沿った活動だと考えています。


異彩のアーティストにも「輝く場所」を

「賑わいを作る」ための機会をさらに増やしていこうと昨年9月に、プランニング会社に相談してみました。そして提案していただいたのが、ヘラルボニーです。

ヘラルボニーは「異彩を、放て。」をコンセプトに「福祉を起点とした新たな文化の創造」を目指す福祉実験ユニットです。主に知的障害のある人が描いた作品を発掘し、ライセンス契約を結んでビジネスを展開しています。作品は企業とのコラボレーションやファッション、インテリアなど、さまざまな形で展開されています。ライセンス料は作家に還元されて収入を得ることができ、持続可能なビジネスモデルとして注目されています。

私たちは、ヘラルボニーさんと契約している作家の皆さんの作品をたくさん見せていただきました。そして、その作家にしかない個性──それは色使いだったり、イマジネーションだったりさまざまですが、特別な才能を持つアーティストがたくさんいることに感銘を受けました。ぜひ鉃鋼ビルディングに展示して、たくさんの方に見ていただきたい──。才能ある方々に「輝く場所」を提供するという方針に合いますし、それが賑わいの創出につながれば、Win-Winの関係が築けると考えました。

こうして「ヘラルボニー・アートプロジェクト」がスタートしました。


展示スペースは「TEKKO avenue」に決定

素晴らしいアート作品の展示場所は、館内のどこがふさわしいか──。

さまざまな場所を検討しながら3カ所に絞り、ヘラルボニーさんから展示スペースに合わせた展示方法や作品候補の提案をいただきました。

そして最終的に地下1階の「TEKKO avenue」(テッコーアベニュー)に展示することにしました。「TEKKO avenue」は飲食店やコンビニ、クリニックなどが入居していますが、通路は無機質なイメージがありました。この場所で華やかさや賑わいを演出して、たくさんの人に見ていただきたい。そんな願いを込めて、展示スペースが決まりました。

『楽器』川邊紘子(複製画)

『楽器』川邊紘子(複製画)

展示作品は、展示スペースと展示コンセプトに合わせて、ヘラルボニーさんに10作品、選んでいただきました。展示コンセプトは鉃鋼ビルディングがテーマとして掲げている「人・街・時をつなぐ」です。


これからも「賑わい」と「輝く場所」を提供していきます

展示スペースと作品が決まり、20236月から施工を始めて、7月から展示を開始しました。

展示作品は作家の描く筆致そのままにプリントされたパネルなので、迫力があります。

展示開始後は、通行する方が足を止めて鑑賞する姿や、写真を撮る姿も見受けられました。この展示を見てくださった方が、これをきっかけに作家やアートに興味を持っていただければうれしいです。さらに作家の方々が活躍してくだされば、このプロジェクトをやった意義があると思います。

先ほどお話したミニコンサートもそうですが、日常空間の中にアートがあるという環境を、今後も作っていきたいと思います。

また、「賑わい」を作ることで、ここを訪れた方々やテナント企業の方々のコミュニケーションが生まれるといいと思います。今回のヘラルボニーに限らず、「賑わい」の創出や、才能がある方々への「輝く場所」の提供は、今後も続けていきたいと考えています。

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